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□奥底が叫んだ
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行為の後は満たされる。
これは否定のしようがない。
ただ単に快楽を得たからなのだろうか、それとも一方的に俺を愛する仁王を嘲笑するのが楽しいからなのだろうか。
どちらにしろ性格が悪い。
更に分からないことは、満たされている自分に腹が立って、渇いてしまうことだ。
俺は一体、何を求めている?


洗面所に水を張って顔を洗う仁王の背中をぼんやりと眺める。
まだ少し汗ばんでいる。
そっと近付いて触れれば、顔を洗うのに必死なのか反応がない。
分かっている。
ただ顔に石けんが付いていて、反応出来ないことぐらい。
分かっているのに、渇いた。
さっきまであんなに、俺で飽和していたくせに。
お前の全ては、俺だったくせに。

焦燥が加速して、気付けば仁王の髪を掴んでその顔を水に沈めていた。
突然呼吸を奪われた仁王は呻いてもがく。
それが面白くて何度か引き上げては沈めた。
仁王は苦しそうに喘ぎながら抵抗を試みる。
されど何も出来ない。
ようやく気が済んで、引き上げると同時に強く後ろに引っ張ると、仁王はそのままバランスを崩して床に仰向けに倒れ込んだ。

「…ぅえっ、げほっ、げほっ」

派手にむせ込んで息も絶え絶えだ。
俺はそんな仁王をただ見下ろしていた。
次第に落ち着いてきた仁王の髪を掴んで上を向かせると、痛みに顔を歪ませる。
その表情にたまらなく欲情した。

「やな、ぎ、」
「…」
「何、で?」

何でだろうな。
そう呟いて思案してみる。
そして馬鹿げた答えに辿り着く。
自分が渇いているからお前を沈めた、なんて。
最早逆説的でも何でもない。

言い訳なんてどうでもいい。
理由なんてどうでもいい。
ただ、

「欲しい」


低く訴えると、仁王が目を見開いて俺を見る。
当たり前だろう。
俺から求めたことなんか、なかったから。
困惑と期待に染まる瞳に気が付いて、「誤解するな」と釘を刺した。
頷きながら俺に覆い被さる仁王の頬に手で触れると、水滴が滴って俺の唇に落ちた。
舐め取ると無味だった。
それにまた、渇いた。
俺を求めて滴る汗を口にしたい。

ああ、何だろう。俺は一体、何を求めているのだろう。

仁王の背中に腕を絡めて、微かに浮かんだ答えは。

「なぁ仁王」
「何?」
「俺が好きか」
「好きじゃ。愛してる」


こいつに愛されること、かもしれない。

















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よく分からない内容になってしまった…元は他ジャンルのネタです。使い回しすみません…

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