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□ブラックベリー・エチュード
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※三津谷の高校
※モブ視点



目の前の姿見に現れたのは、規格外の大きさをしたメイド服姿の俺。
バレー部員らしい身長とそれなりについた筋肉、とどめに脛毛。
お笑い要員だと端から理解はしていたものの、この似合わなさは笑えなかった。
いや、一周回って面白いかもしれない。
文化祭で女装喫茶をすることになった俺達のクラスの控え室。
周りには俺と同様気持ちの悪い女装男がわんさかいた。
悲鳴にも似た笑い声が溢れる中、一際騒がしい声がしてきた。

「おい、三津谷見てみろよ!」
「笑えねぇんだけどww」

声の方に目を向けると、黒い膝丈までのドレスに身を包んだ三津谷の姿があった。
胸元と背中が大きく開いていて、長袖のため逞しいはずの腕も隠れている。
ふくらはぎは流石にかっちりとしていたが、網タイツのせいでほとんど目立っていない。

「そこらへんの女子より美人だろ?」

腹立たしいドヤ顔を除けば、三津谷の言う通りだった。
三津谷は黒いピンヒールのパンプスを履くと、歩きづらそうに俺の方にやって来た。

「お前は似合わないなー」
「お前が異常なんだよ。つーか、似合いたくねぇよ」
「妬くな妬くな」

誰が、と言いながら、持ち場である教室に向かう。
道中で散々笑われて、恥じらいもどんどんなくなっていく。

文化祭が始まると、それなりの客が店に入ってきた。
俺は笑われつつ写真を撮られつつ、飲み物を運ぶ。
三津谷も同じような感じで、忙しく動いていた。
しばらくすると中庭で催し物でもあるのか、人が少し引けた。
俺は足を止めた三津谷に近づいて、気になっていたことを口にした。

「なぁ、左奥の席にいる奴さぁ、」
「4組の中澤だろ?」
「名前は知らねぇけどさ、すげー三津谷のこと見てないか?」
「あー、そうだな」
「好かれちゃったんじゃねぇの?」
「・・・つーか、前に告白されてフッたし」
「ふーん・・・って、はぁ!!??」

思わず大声を出してしまい、俺達は慌ててカーテンで仕切られているバックヤードに入った。

「馬鹿、声でかい」
「だってお前、普通に接客してたじゃん!」
「呼ばれるからするだろ」
「でもお前・・・」
「いいんだよ、普通に接した方が」

そんなことを話していると、クラスの女子が「休憩行っていいよ」と言ってくれた。
俺は若干混乱しながら、三津谷に続いて教室を出た。

「へぇー・・・やっぱり三津谷だとあるんだな、そういうこと」
「よく分からないけどな。病気みたいなもんだろ、中澤のは」
「病気って・・・」

三津谷の言い分に苦笑しながら、控え室に入る。
クラスメイトはみんな出払っているようで、俺は電気をつけた。

「あー疲れた。足いてぇ」

三津谷は机に腰掛けると、パンプスを乱雑に脱ぎ捨てた。
その拍子にスカートが捲れて、中の短パンが目に入った。

「お前、歩く度に短パン見えてたけど」
「まじかー、でも履いてないとスースーするんだよな」
「暑くねぇの?」
「暑い」

じゃあ脱ぐかーと三津谷は呟くと、座ったままスカートの中に手を突っ込んで、腰を少し上げて短パンを引き抜いた。
何故かその様子に見入ってしまい、運悪く三津谷と目が合う。
三津谷はさぞ面白そうに口角を上げた。

「欲情するなよ、この童貞」
「童貞じゃねぇ!!」

どーだか、と三津谷は笑いながら机から降り、俺の側に立つ。
そしてまるで本物の女子のように腕を組んできて「お昼行こ?」なんて言うから、渾身の力を込めて振り払ってやった。













―――――
女装+控え室+二人きりでエロに行かないところが私クオリティ
この子は別にあくとさんのことは好きじゃないです、多分今のところは

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