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□カムパネルラの末路
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しなやかに弓なりに反らされる背。
私と全く同じ素材だなんて信じられない。
後ろから悠歩を抱きながら、私はそう思う。
一番弱い所を執拗に突けば、悠歩は高い声を上げて達した。
寸前に繋がりを解いて、悠歩の白い背中に欲望を吐き出す。
それは形だけの所有印。




「ねぇ悠歩、今日、誰のこと考えてたの」

息が整った後、力無くベッドに横たわる悠歩にそう問うた。
悠歩は閉じていた瞼を上げて、何それ、と呟いた。
気に食わない。

「いつまでなんだろうね、私達が、何もかも同じなのは」
「悠馬…?」
「いや、いつまで『だった』んだろうね」
「何、言ってるの?」

戸惑いを表す悠歩の表情。
けれども、そこに心からの否定がないことくらい、私には分かる。

「悠歩、私に隠し事なんかしても無駄なのに、どうしてそんなことするの」

乱暴に髪を掴んで、逃げる視線を捉えた。
その目に怯えが見えて、私は小さく笑う。

一つになろうとする私達の愚行は、この上ない退行だ。
こんなことをしている限り、私達は永遠に成長出来ない。
だから、

「解放するよ、悠歩を」

髪を離して、そう呟く。
元々、私が強いた関係だ。
一刻も早く、悠歩を放たなければ。
そして、私自身も、呪縛から放たれなければ。

「…」

返事がないことが、全てを物語っていた。
私は悠歩の顎を取って、触れるだけの口付けをした。
これで晴れて、自由の身。
悠歩を残して、私は部屋を後にした。
洗面台に向かい、冷水で顔を濡らす。

早く、一人に慣れなければ。
早く早く早く早く早く。

手始めに、乱暴にピアスを外して屑籠に投げ入れた。

(…次は、)

そうだ、明日は朝一番に髪を染めよう。












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ほんとはラブラブな双子がすきなのに…すみません
悠歩の想い人は特に決めてませんが、入江とかがいいかな…
しかし色々不完全燃焼ですむむぅ

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