小話

□12年の恋
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高校時代の同窓会

「もうあれから10年かー・・」

そう、私達はもう28歳

しみじみとクラスメートの顔を見れば、随分変わったなと思う

隣に座るサクラは艶やかになった

ヒナタは和美人って感じですごくきれい

(私はどうなんだろ)


チラリと視線を移した先にいるのは、高校からずっと片思いの人


うちはサスケ


高校では仲が良かった

でも、それがあだになった

友達として接していればいるほど、本当の想いを伝えられなくなった

素直になれない自分

そんな私を置いていくようにサスケには彼女ができた

すごく悲しかった

それでも、仕方ないと済ませていた

私は大学に入ってからもサスケが忘れられなかった

だから今まで誰とも付き合っていない

伝えられないくせにずっと好きだから、苦しいんだ


「なーに辛気臭い顔してんの!」

「サクラ、」

「ねー、知ってる?サスケ君彼女とずいぶん前に別れてるのよ」

「そうなの・・?」

「何だかんだでナルトと仲いいじゃない?それで、ね」

サクラはナルトと付き合っている

だから聞いたのだろう


正直、うれしい

可能性があるんだ


でも、複雑

その彼女と別れたのは不本意だったかもしれない

もしかしたらサスケはまだ想っているかもしれない

だったら私に入る隙間なんてない



「それにしてもごんべちゃんも綺麗になったよな〜な、サスケ」

ナルトが呼んだ名前に反応して心臓が早くなる

平静を保ってサスケを見れば目があった

無表情のままずっと目を合わせている

「どーせ、そうでもねぇと思ってんでしょ」

友達、として長く付き合ってきた私は、今更女らしい馴れ合い方はできない

それが余計に自分を苦しめている

「綺麗だ」

「え、」

昔のサスケはそうは言わない

もっと憎まれ口をたたくはずだ

調子が狂う

「酔ってる?気持ち悪いこと言わないでよ、」

どこまでも素直にならない自分に腹が立つ

でも、酔って調子のいい言葉をはくサスケにも腹が立つ

「酔ってねぇ・・」

「酒瓶2本空けてるでしょ!それのどこが酔ってないの!」

やけ酒してるように見える

その理由が何となく推測できてつらい

「最低・・そんな奴だと思わなかった、」

なんだか、堪えられなくなって席を立つ

「ごめん、帰るからカカシ先生によろしく」と言って宴会場を後にした

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