〜20120315

□訪問セールス
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「犬塚さんちか…
ここで最後か…」

ピンポーン


「あ、どうもこんにちは。
セールスです」

「…なんだ?」

「いやですからね、どうですこれ」

見せ付けられた古くなった野菜


「あ、名刺渡しますね
こういうものです」

「…名無しさんさん?」

「あ、はい新鮮野菜お安くしますよ」

「全然新鮮じゃねーよしかも安くもねーよ」

「私が渡されたときは新鮮だったんです
でもね売れないの生活かかってるんですお願いします
ほら今なら手作りの鍋差し上げます」

「これ鍋なのかよ小さすぎるだろ茶碗くらいしかねーじゃねーか」

「ちょ、頑張って作ったんだから
実は茶碗でしただからお願いします」

「取っ手のついた茶碗なんか見たことねーよ」

「まじお願い生活かかってるんだから」

「俺も生活かかってんだから無理なんだよ」

「ははははは」





「なんで笑った!?」

「もう人に古い野菜を売り付ける生活に疲れたよ」

「(ぶっちゃけた…!)お前も大変そうだな」

「じゃあ野菜買う?腹壊すけど」

そんなもん売り付けるな

「はあー今月一万で過ごさなきゃ」
「どっかの番組みたいだな」

「まあしょうがない
それじゃあね」

「待った
…買ってやるよ」

「ほんと!ありがとう!
あなたのおかげで助かります!」


そしてキバが古い野菜を買い、名無しさんが去ろうとしたときだった


パサッ


「おい、本落としたぞ
なになに…『セールスの仕方』」



「あ、やべ」




END

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