〜20120315
□どこまで手づくりなんだ
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彼は突然、「うどんが食べたい」と言った。
「どうしたの突然」
「うどんが食いたいから作ってくれ」
「手づくりがいいの?」
「あぁ」
シカマルが私に初めてリクエストしてくれたから、とっても嬉しかった。
うどんなら、茹でるだけだし、料理スキルが低くても大丈夫だろうっていう配慮をしてくれたのだろう。
そんな彼の気遣いが好き。
* * * *
私は翌日、すぐに本屋に向かい、小麦について調べ、
任務をこなしつつ小麦を育てた。
それから一年が経った。
「シカマル、うどんを食べにきてよ」
「突然どうしたんだ」
「付き合いはじめのころ言ってたでしょ」
「随分と時間経ったな…」
「しょうがないでしょ、小麦が育つのすごく時間かかるんだから」
シカマルは困惑しながら固まった。
「どこまで手ェこんでんだ!?!」
「だってシカマルが…
初めてリクエストしてくれたから」
彼は私の手を、両手で優しく包んで見た。
「こんなに手、泥だらけになって…
ごめんな、そんなに苦労かけたのに一年間も気づかずに」
「ずっと手袋してたからしょうがないわ」
「名無しさんが強いと思っていて全く気にかけていなかった
本当にごめん」
「とりあえずうどん、たべよう」
用意したうどんには、白い生地に茶色いマーブルが混ざっていた。
「あああああ!手を洗わなかったからうどんに土が混じっちった!ごめん、もう一年待って!」
わたしの言葉を無視してシカマルはうどんを食べはじめた。
「やめなよ、お腹壊しちゃ「うまい」
「えっ」
「美味いよ、ありがとう」
そういって私を強く抱きしめた。
END
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あとがき
ヒロイン重い女に成り下がったまじすいません