ほっと
□ある朝、
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「んぅ……どこ、いくの…?」
朝から、
友達に呼び出された。
準備をしていると
彼女の声がした。
「ぁ…ごめん、起こした…?」
用件は
貸していた本を返したい、とのこと。
さっきまで一緒に寝ていたベッドに近寄り、
顔を覗きこむ。
「…おはよ、翔…」
翔が起きる前に行って
帰ってこようと思っていた。
頬に手で触れると、
遠慮がちに
その上から手を重ねる。
「………かず どこいくの…?」
まだ眠気の覚めない目で
俺を見上げる。
「…ごめんね…?
ちょっと友達に
呼び出されちゃったんだ…」
そう言うと、
俺の服の裾を
キュッと握る。
「ゃだ……かず…
…ぃかな…で……」
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