ほっと
□焦るオレと、拗ねるキミ。
1ページ/3ページ
'
「ね、雅紀!
何怒ってるの?」
「……怒ってない」
「それ怒ってるって言うんじゃ…
…ッま!待ってって…!」
自分の家の玄関のドアを閉めようとすると、挟まる足。
「…翔ちゃん、足。
挟まって閉めらんないんだけど。」
「雅紀が閉めないようにワザと挟んでんの。
ね、教えて?
何に怒ってるの?」
ドアを閉めたら開けてついてきて、
車に乗っても勝手に乗ってきた。
家までの道もついてきて、今も、
玄関に入ったら勝手に入ろうとしている。
―別にイヤな訳じゃない。
怒ってる訳でもない。
拗ねてるだけ。
…最初は。
拗ねてやる!って思って
最初は拗ねてたんだけど、
どんどん翔ちゃんがついて来るうちに何故か、
……俺、怒ってんだよな…
…何でだ?
なんとなく後にも引けないし…
「―雅紀。」
「………何。」
「教えて?
今 雅紀さ、
怒ってる?それとも
……拗ねてる?」
「――…!」
.