黒子のバスケ

□喧嘩しませう
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『アイツに部活来なくてもいいって言われてもな!関係なく部活は来るもんだ!』
「うぅ、」
『バスケ好きじゃないなら辞めろとか、勝てるなら練習しなくていいとか、私は言わんぞ。バスケ部に所属してる限り練習は義務だクソボケが!!』
「名前ちん…」
『お前今日部活出てこなかったら退部な』
「、えぇ?!」
『ちなみに青峰も黄瀬もそうだから。学校側が手を回して試合だけ出そうとしたらバスケ出来ねぇ身体にするから』



泣きそうな顔してんじゃねーよ紫原。冗談だって。お前の肩をギリギリと握り締めるこの手だって、ちょっとイライラしてるだけだからね?




さぁ、最後はラスボスだね




『赤司くんいらっしゃいますねー』
「名前か。どうした」
『どうしたじゃねーよこのクソ厨二野郎が!!!』
「ゴフッ!!!」


椅子に座る赤司の腹に思い切り蹴りを入れた。突然の事なので反応できなかった赤司は後方に倒れた。


『テメェ、試合で勝てれば練習出なくてもいいとか抜かしやがったんだって?』
「…それがどうした?」
『あぁ?』
「随分と頭が高いな。ただのマネージャーであるお前になんの関係がある?」
『…』
「そうだ、灰崎は涼太に劣るから辞めさせるよ。」
『聞いた。』
「そしてお前もだ」
『あ?』
「確かに、コーチの面を持ち合わせる優秀なマネージャーだが、桃井の能力には劣る」




君はもう必要ないよ




冷水を被せられたような気分だった。
つい最近まで仲間とか抜かしていた奴が、こんな事言うだなんて。




『…私は辞めないし灰崎も辞めさせねーぞ』
「僕に逆らう気かい?」
『テメェみたいに勝つためだけに続ける訳じゃねーんだよ。続けて練習するんだ、部活ってのは結果だけじゃねぇ、過程も大事だし、少なくとも私等は好きだからするんだよ』
「下らないな。好きだからと言って負けたら意味が無いだろう」
『かといって練習しねぇでも勝てるからって活動しねえってか?』
「とにかく、お前は退部だよ。…これは命令だ」
『テメェの命令聞く筋合いねーよ(キャプテンとか知りません)』
「僕に逆らう奴は親でも殺すぞ」
『私に逆らう野郎は神でも殺すぞコラ』
「ぐふっ!!!」


〈僕〉は随分反応できていないな、私の攻撃に。こんな蹴り、〈俺〉ならすぐ見極めれたぞ。


『いいか赤司、退部はお前だ』
「…は?」


きょとん、とした目でこちらを見る赤司。そのままの顔なら可愛いぞ。赤司ファンに売付けてやろうか。


『部を乱す奴はどんだけ強くてもいらない』
「お、おい」
『大丈夫。真田監督にはちゃーんとうまく言っといてやるよ。お前は退部届けに名前を書くだけでいい。いいね?』
「何故僕が、」
『お前は、お前等は弱すぎたんだよ』



強くいる覚悟がなかった。周りの妬みや憎悪に心を壊して行った。勝たなきゃいけないというプレッシャーに勝てなかった。



『お前がこの部活に入ったのは、なんで?』
「、」
『親からのプレッシャーから逃げれるためだろう。対等な関係が出来たからだろう。楽しみを知れたからだろう。…それを全て、壊してるんだよ。お前は』


赤司の色素の薄くなりかけた目が段々と元の赤に戻るのが見える。戻ってきたか、良かった。
逃げるんじゃねーよ、赤司。〈僕〉は結局は、お前を助けてはくれねーんだよ。



『ってわけで、お前にもちゃんとチャンスをやろう』
「チャンス?」
『放課後の部活ちゃんと出な。出ないと退部。んで、』



ゴニョゴニョと話すと物凄く眉間に皺が寄った。仕方ない。お前の責任だ。






放課後




「名前ちん、ちゃんと来たよ」
「名前っちマジ怖かったッス…」
「青峰くんもちゃんと、」
「チッ…」


「来たか皆」


「赤司、?」
『はい、部活始める前に。全員。並べ』



赤司と他の部員が対面するようになった。赤司が勢いよく頭を下げた。



「すまなかった…!!」
「?!赤司っち?!」
「な、なんなのだよ?!」
『うるせぇー!!黙って聞け!!』


再び静まる体育館で赤司がぽつりぽつりと話し出す。


「部員をまとめるはずの〈俺〉が、一番部を乱していた…本当に、悪かった!」
「ま、待ってよ赤司っち!別に赤司っち悪いことしてないじゃないっスか!」
「(あー、馬鹿黄瀬ちん)」
「(リョータやめろ暴動が起きる)」
「悪いっつーかよ、勝てれば練習しなくてもいいって監督が言ってたわけだろ?赤司が悪いわけじゃ」
「あ、青峰くんやめっ」



ドゴッドカッバキッ


『うるせーぞテメェ等。蹴るぞ』
「「もう蹴ってるだろーが/っス!!」」
「…黄瀬、青峰。俺達は部の一員なんだ。百戦百勝を掲げる、部の一員なんだ。勝ち続ける覚悟を持たねばならない。練習しなくても勝てる、ではない。更に高みへ、そうしなければならない」


赤司が再び頭を下げた。次に発するのは謝罪ではなく、下げたのは私にだった。



「もう一度、俺にチャンスをくれないか、名前」




部員の視線が私に集まる。桃井、泣くな。怖いだろうけど。紫原も泣くな。うざい。緑間はメガネのカチャカチャをやめろ。



「もう一度、俺達と一緒に高みへ」



おい。なんて声かければいいんだよ。私実はこんだけ掻き回したから辞めようとしてたんだよね



『え、あ、あのー』
「名前っちぃぃぃいい!!俺も謝るからぁぁああああ!!!」
「また一緒に部活やりましょう!」
『(話聞けよクソ駄犬と影薄)』
「そうか、やってくれるか」
『え』
「お前はこれからも俺達の大切な仲間だ、」
「〈俺〉を呼び戻してくれてありがとう」
『…』
「名前?」
「名前さん?」
「どうしたのだよ」



私の意志に反して話を進めるコイツ等にイラッときたので


『うるせええええ!!!さっさと練習するぞ!!』
「「「(デレた)」」」








(その後、全中優勝しました。全員笑顔で、楽しそうな写真が一つ。)








グダグダ乙ううううううう
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