刀っていいな

□に
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『おう左陣。菓子出せ』
「……まぁ良いが、その子等は?」
『刀の付喪神の2人。短刀の秋田藤四郎と小夜左文字』
「秋田藤四郎です!」
「小夜左文字……」
『どっちもあまりしばらく酷い目にあっていてな、色んな菓子を食わせてやりたいんだ』
「うおおおおお、可哀想じゃのう……これ食うか?」
「これ、団子ですか?」
「おう!みたらしじゃ、遠慮せず食え!」
『射場副隊長なかなかいい団子持ってますね』
「何故嬢ちゃんが食うとるんかわしには解らんが」
『ヒント腹減り』
「苗字それは答えだ」


団子食いながら茶を飲んで一息ついた。庭の犬がゴロゴロ転がっている。


「……苗字、重國殿の話なんだが」
『くどい。次にその話したら玉ねぎ食わすぞ』
「や、やめぇ!!隊長は玉ねぎとチョコレートはいかんのじゃあ!!!」
「お犬さんなんですか?」
「む、いや犬ではなくな、狼だ」
「狼……」
『犬と変わらん』
「苗字!!」
『誇り高き人狼だよ。重國が拾った頃の方が可愛い顔をしていた』
「だから重國殿と」
『断る……秋田藤四郎、小夜左文字。ちょっ
と甘味を食いに行こうか』
「行きまーす!」
「行く……」
「あ、ちょ、待て苗字……」


狛村の声は完全に無視された。短刀2人は気になったようで振り向いてはいたが。


「重國殿があれ以上落ち込まれたらどうしようか鉄左衛門」
「困ったのう……」
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