逃避行
□1話
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暖かい。肩を斬られてから感じることの無かったその温度に思わず目が覚めた。
ここは?
ノイトラが、いない。ここはどこ?
「ん?目が覚めたか!?」
『(ぬいぐるみ?鹿?トナカイ?)』
「動くなよ、血が足りてないんだ。出来る限りの処置はしたけど……」
手当てをしてくれたのか。ありがとう、とまず頭を下げて、何か書くものはないかと聞こうとするがすぐにその子は外へ出ていった。
「目が覚めたぞー!!」
慣れた気配が揺れた感じがする。
「なぁ、なんで空から落ちてきたんだ?」
「……」
「傷の治り早いなーすげーなー、これ剣か?すげーなーでけーなー」
「……」
「ルフィ、起きたての奴に質問攻めしてんじゃねぇ」
「だってよー!すんげえスピードで傷治ってるからよー!」
「……名前、おい、アイツは、」
「安心しな、あのレディは今治療中だ。うちの船医がちゃんとやってくれる」
「んで、テメェは何者だ?」
海軍か、それとも海賊か?
その問いにただ首を傾げる。なんだそりゃあ。聞いたこともねぇ。
「目
が覚めたぞー!!」
「名前、!!!」
「あ、おい!」