逃避行

□1話
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むすぅ、っとした顔のノイトラと延々と話しかけるルフィ。ノイトラのストレスはピークに達しかけていた。


「(物凄くうぜぇ)」
「ルフィ、傷は治ったとはいえまだ疲れてんだろ。1回やめてやれ」
「にしても、向こうも今だいぶ良いらしいし。良かったな」
「……」
「なぁ、俺はルフィ。お前は?」
「…………」
「彼女助けてやったんだ、名前くらいいいだろ?」
「………………………………ノイトラ」


消え入るように呟いた。ソイツから出される敵意はまだ消えないが、連れの話を出せば少しだけ緩んだ。どうやら彼女には弱いらしい。




「おはよう、着替え持ってきたけど着れるかしら?」
『“お世話になってます”』
「気にしないでいいわ、女同士だもの。」


ナミさんに服を貸してもらう。露出するものは着ない方向で。怪我も手当てしてもらってここまで世話になっては少し悪い気もする。


『“ノイトラ、どこにいますか”』
「ノイトラ?……あぁ、彼ね?外でうちの馬鹿に絡まれてるわよ。アンタが起きるの待ってるんじゃないかしら」
『“起きます”』
「駄目だぞ!」
「だって」


ノイトラ、さっき怒ってたから。多分立って歩けば機嫌も良くなると思うんだけれど。無理して歩けば余計怒るか、あまり怒らせてはいけない。ノイトラ感情の制限が苦手なのだ、もし勢い余ってまた私の肩を掴んで傷が開いてしまえばショックを受けてしまう。あの目がまた悲しく歪むのは嫌だ。



「んナミすわぁ〜ん!!特性オレンジジュース出来たよ〜!!!」
「ありがとうサンジくん」
「素敵なレディ、貴女もどうぞ」
『“ありがとうございます”』
「……いえいえ、早く元気になってください。」


テメェ名前に話しかけんじゃねえ!!と外から大声が聞こえたがまぁいいだろう。虚圏でもグリムジョーやハリベルさんが来た時は同じ事を言っていたから。
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