刀っていいな

□ご
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「よ、よくぞ参られました。まぁお座り下さい」
『ありがとうございます』
「……」
『?同田貫正国様と髭切様はお座りにならないので?』
「え?あ、あぁ、二人には今から手入れを致しますので、」
『そうですよね、大変な怪我です……審神者様、出来れば私に手入れを見学させてはくれませんか?』
「え!!?」


完全余所行きモードなう。本当はこの場に座らせて血をベッタベタに塗りたくってやろうと思ったが、まぁいいさ。二人も少し焦るような気配がしたがまぁ落ち着けよ。


『何分私つい先日審神者になったばかりでございまして、聞いたところ審神者様は殆どの刀剣を集めていらっしゃる大先輩です。よろしければ初心者審神者の私にご指南を』


そうだいい事を考えた。テメェ糞野郎覚悟しなー?

気を良くしたのか、審神者は手入れ部屋まで案内してくれた。こっそり髭切が私に耳打ちしてくる。


「大丈夫なのかい?」
『部屋で合図するからこれをぶつけてやれ』


これは……?と二人が首を傾げるが、ニッコリと笑う。さて、アイツ等は私が暴れだしてから救出を始める筈だ、まぁ見付けるのは大丈夫だ。穢れの臭いな
らアイツ等はすぐ解るだろうし。一角さんが来るならもし抵抗する奴がいたとしても一捻りだ。いや殺さないけども。


手入れ部屋は随分濁っていた。手入れ部屋の妖精も元気がない。……あぁ、刀剣達がここに連れ込んだはいいがすぐに折られてしまったのか。妖精がこちらを見上げる。


助けてやろう、代わりになにを差し出す?


彼等は迷わず自らの腕を振り上げた。手入れなら任せろと?……まぁ私妖精さん居なくても出来るけど、居た方がいいか。ペット増える感じで。


「では二人共座りなさい」


今だ、やれ。合図すると二人が背後から審神者にそれを投げ付け、私もそれを頭から被り細工した。


「な、きゃあああああぁあああ!!!」


うるせーなこの人間。茶渡とかならもっと静かに驚……あぁアイツ血とかなら大丈夫だろ。

そう、投げ付けたのは血を詰め込んだ袋。審神者は血塗れ。そして、私も頭から被っている。


憤怒の表情でこちらを見遣るので、審神者の足を思い切り掴んだ。



『なぜ』
「はぁ!!?」
『なぜころしたなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜころしたなぜな
ぜなぜなぜなぜころすころすころしたころすころすころすころすころすころすころすころすころすころすころすころすころすころすころすころす』
「、ひぃっ!!!?」


あ、一角さんの霊圧だ。よろしい、そろそろしばらく暴れるか。

チラッと二人に目をやると「嘘だろ?マジで?」みたいな目をしているのでニタァッと笑った。


『ころしてやるころしてやるころしてやるころしてやるころしてやるころしてやるころしてやるころしてやるころしてやるころしてやるころしてやるころしてやるころしてやるころしてやるころしてやるころしてやる』
「いやぁあああああ離せ離せ離せぇ!!!!」


そのまま審神者の足を引っ掴みぶん投げ、襖をぶち破りずざざぁっ!!とスライディングしていった。
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