休暇なう

□にわ
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「名前が親父って呼んでくれねぇ」
『何言ってんだアンタ』


素が出た。名前反省。
お前反抗期の娘を持つ父親かよ。まぁな?そうな。船のクルーは子供達だもんな。ただ私はどうしてもニューゲートを父とする事は出来ないのだ。

自分より遥かに年下をどうして父と呼べようか。


「あ、俺も思う。なんだよエースさんって。よそよそしさマックスかよ」
「サッチって呼び捨てでいいのよ?」
『エリザさん私洗濯行ってきます』
「行ってらっしゃい」


今私はか弱い系女子を満喫している。完全に私はキャラを変えるのだ。呼び捨てになんてしてみろ途端に私は普段のテンションに戻るぞ。


「敵襲だーーー!!!」


そう誰かが叫んだ。すると先程までふざけていたエースとサッチが表情をガラリと変え、にたりと笑う。うん、いい顔だ。その顔好きよ。

ナースさん達とニューゲートの部屋に入る。まぁ大丈夫だろ、この1ヶ月で敵襲は何回もあった。海軍だったり海賊だったり。……なかなか人が死なないから虚が来ねぇのか?餌にならないかな。

いかんいかん、この考えは結構危険思想だ。別に
私は白ひげ海賊団を囮にとか、人を殺して霊体を餌にしようとか考えてない。第一私は白ひげを気に入っているからな。世界最強と聞いてもニューゲートを殺したくないってのはそういう事だ。


「名前、親父様が嘆いてるから少しは聞いてあげて?」
『え、すんません今考え事してなんも聞いてなかったんです。なんの話でしょう』
「なんで名前がよそよそしいか?」
『あぁ、さっきの話ですか』


よそよそしいもなんも、私別に完全に仲間になった訳じゃねえし。仲間=家族だ、私は死神という役職でありそこに仲間がいるから、仲間にはなれないのだ。もしもそれ以外があるとすれば友人なのだが、今のままなら友人もクソもねぇし。

ただ、私はニューゲートを気に入っている故に嘘を吐きたくないのだ。だから娘と呼ばれても“船長”と呼び続けている。他によそよそしくしているのは一種の牽制だ、これ以上踏み込ませないように。あまり踏み込めば記憶置換でも私の存在を消せなくなってしまうから。


『こういう性格なんですよ、勘弁してください』


優しいお前等は騙さなければいけない。
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