休暇なう

□じゅういちわ
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『ディカルバン?なんすかそれ美味いんですか?』
「グラララ!美味くねぇだろうなぁ」
「親父様も名前もいい加減酒やめなさい」


いつもより呑んでねーよ。ちょっとばかし今日は忙しくなりそうだ。


「ナマエ、シヌ、シヌ、シヌヨ、シヌ、」


朝からポチが五月蝿い。悲しそうにしているのが可愛いけどまぁそれはいいとして。
海軍の伊山柊炎の動きはドフラミンゴから連絡来てるし、そこは大丈夫。ドフラミンゴは私を裏切らない(裏切れない)し、アイツは頭の回転早いし実力も高いからある程度どうにでもなるだろう。いざって時には静鬼即発動して殺すかなんかする。

違う。

ポチが騒いでいるのは、サッチの話だ。サッチ以外の死期はまだ見えてないとか。サッチは、今日、死ぬ。

どうして死ぬのかはまだ解らないが、恐らくティーチが絡むのではないかと思っている。最近なかった戦闘だ、もしもあの時の電伝虫のあの声が言っていた「実を積んだ船」というのが、このディカルバン兄弟の船だとしたら。
……伊山柊炎は元々鬼道衆からの十二番隊。喜助が就任し、技術開発局が出来た後、そうだな。涅が局長にな
りたての頃には七席くらいだったか。まぁそこから蛆虫送りになったんだが。とにかく伊山柊炎は色んな小細工をする事は十分考えられる。


『……』
「どうしたァ名前。元気ねェな」
『……船長』
「なんだ」
『私はこの船も船長も船員も誰も彼も気に入ってますよ』
「あぁ、そいつは良かった」
『警戒しろ』


ナースやドクターには聞こえない位置で、声で、少しだけ真剣に話す。ニューゲートが眉をひそめた。


『……戦闘終わったらもっかい呑みに来ます』
「あぁ、そうしろ。」


他の人なら警戒しろという言葉は『私を警戒しろ』という風に聞こえるだろうが、ニューゲートは賢明で冷静だ。客観的に物事を考えられるこのお人好しの器の馬鹿でかい野郎は今のを「警戒しなくてはならない不測の事態だ」と解ってくれたようだ。ニューゲートは本当に私の死神姿見えてねーのかなちょっと疑いたくなるわそこんとこ。



「終わったよぃ」
「あぁ、ご苦労」
「戦利品にサッチが悪魔の実を……」


あぁ、そうか。
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