リボーン 隅っこ

□プロローグ
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深い闇が、そこにあった


むせび泣く様な風の音が、少年の髪を揺らす

同時に、周りの木々もざわざわとどよめいた



…少年はその場に佇み、一切の動きを見せない

闇と同化するコートを纏い、体だけは目の前の草むらに向いていた


身長からして、十代前半
いや、
それより下かもわからない


夜の鬱蒼と茂る森に、彼は立っていた





少年は何も言わない 動かない

――――完全な、静止



1分、2分、3分―――――――4分が経過した頃



少年の前の草むらから、一切の音をたてずに、複数の男が出てきた


彼らは少年に気付いていなかったらしく、驚く様に後ずさる



「な、何者だ!?」


1人の男が叫ぶと同時、1人がライトを少年に向ける








刹那――――――











目を閉じ静かに佇む“純白”が、確かに存在していた



「お、お前は…!!」


先程まで強気だった男達の顔が、みるみるうちに蒼白になっていく



「まさか…その姿……………!!


お前は――――――――」


『…貴方の命を略奪します…』





男が言葉を紡ぐのを許す事無く

少年は動いた






少年は目を開け、小さく溜め息を吐いた

目の前には、既に死体と化した男達の姿


それを冷酷な目で見つめ、次に自分のコートに注目する



『馬鹿みたいだ…
粋がって騒いで、最後は無様に散っていく…


そんな奴等、皆壊れちゃえばいいんだよ…』



自らの服に付いた血を禍々しそうに見つめる


その目には、深い憎しみが刻まれている






黒いコートをひるがえし、少年は闇の中を歩いていった




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