赤い稲妻と黒い炎

□プロローグ
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これから起こる事の中で、これだけは必然と言えただろう












「あいつが、噂のか?」

「ああ、どこから来たのかも、何者なのかも知れねぇ
何考えてっかもわかんねぇし、さっさと出てってほしいぜ」



2人の男が、そうぼやきながら通り去る

視線の先にいた子供は、彼らが見えなくなると肩を震わせた





「…っぁ…あっ……………う… う、ぁ…………ぅっ…………」



途切れ途切れに聞こえるそれは、誰が聞いても明らかな、嗚咽


両手で自身の体を抱きしめ、
子供は押し殺しきれない声を震わせていた










私はその時、
脳裏に染み渡る絶望を感じる事さえも出来なかった


ただ頬を伝った水に、
自分が“泣く”という行為をしているのに気付いた




私の居場所は“そこ”以外…

何処にも無かった


なのに。“そこ”さえもが、私を拒絶した


















何よりも暗い闇が合わさった時


生まれたのは異端の光だった











きっと


――2人にしか起こらなかった奇跡だわ












後に彼女はこう語る
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