赤い稲妻と黒い炎

□第1章、乗り越えた始め
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1.疑いの目












「だから!!私は守護者になりたいのよ!!
雲がいないでしょう!?」


「後ろのおと、こ…か?お前は何だ!?」


「私のお付きよ!!」


「怪しい!!許可の無い者は帰れ!!」


「じゃあ許可ってどこで取れるの!?ザンザス様にお聞きしてくれるの!?」


「まずお前ら何者だ!!」

「あぁっ!!話逸らしたわねっ!? 最初に逆戻りじゃない!!」










……先程から、クロルと門番の男の言い争いが続いているのだ

ゼオンはクロルの傍らにしゃがみ込み、うつらうつらと舟を漕いでいる



クロルは目を見開き顔を真っ赤にして怒鳴り、門番の男は怪訝な顔で頑なに断り続けていた


そんな言い争いが、まだ続くと思われた時――…











「うお゙ぉ゙ぉ゙い!!
てめぇら何やってんだぁ゙ぁ゙!?」






耳をつんざく大声が聞こえた

クロルは即座に、声が聞こえた自分の背後を振り向く

そこにいたのは、


剣を持った長い銀髪の男だった




クロルは突然現れた彼の姿を紫の瞳に写すと、
先程と違う意味で目を見開いた




「………………ス………


……………いえ、貴方幹部ね」



何かを言おうとしたクロルの声は聞こえなかったらしく、眉を潜めた銀髪の男に門番が頭を下げた



「ス、スクアーロ様!!
お帰りでしたか!!任務ご苦労様です!!

そして申し訳ありません!!先程のような見苦しい場面を…」



「いいから状況を説明しやがれぇ゙ぇ゙!!」



スクアーロが声を荒げると、
彼をじっと見つめていたクロルが口を開いた





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