赤い稲妻と黒い炎

□第3章、足元は不安定
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まだ生き物も起き始めたばかりの朝4時
1つの部屋に大声が響き渡った











「ゔぉぉい!!
お前の術士としての力量を見るぞぉ!!」





「……………………」











15.朝霧











「…ねぇ、クロル」

「…何かしら、ゼオン」

「ゔぉぉい!!無視すんじゃねぇ!!」


ゼオンは無表情でクロルの方を向き、前を指差す


アレ
…ブッ殺していい?」


「ゔおぉぉい!!」


「…ええ、私も賛成だわ」


クロルが死んだ目で言うと、
ゼオンは頷き枕元に置いていたホルダーから銃を取り出す

ジャカッと、命を奪う物の音が響いた



「ゔおぉい!!
ふざけてんじゃねぇ!!
というかお前、何故術士だという事を黙ってたぁ!!」


「…………」


ゼオンは沈痛な面持ちになると、銃を下ろす
ぽそりと、いつもの小さな声で一言呟いた



「…昔の事を、思い出すから」



だが、比較的単細胞で頭が形成されているスクアーロには、
ゼオンの気持ちは届かないどころか、声が聞こえなかったらしい



「ゔおぉい!!
何でもいいからさっさと行くぞぉ!!
お前の匣だって用意した!!早く着替えてこい!!」



バタァァァン!!!と騒音を残してスクアーロは扉を閉めた


「…ゼオン。私匣は気になる」

「…わかってる
……元から、行くつもりだよ」



スクアーロの言う事を聞く気も無く、ゼオンはゆっくりと着替え出した
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