リボーン 隅っこ

□プロローグ
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「えっ!?こんな暑いのに!?」


つい言ってしまった直後、佳瑠はしまった!と思った

だが、今日の気温は40度

うだる様な暑さに、熱中症患者も続出しているだろう

少年が汗をかいていないのが不思議なくらいだ



そんな凛、とした冷たい雰囲気を持つ彼は、佳瑠の問いに微笑して答えた


「暑い時には、冷たいものより熱いものを飲んだ方が、涼しくなるんですよ」


…その笑顔がまた涼やかだ

佳瑠は驚きに目を見開いた


「そうなんですか!?」


そう言うと、少年はええと笑う


佳瑠は、この喫茶で働き始めて3年のベテランだ

アルバイトの身でありながら、いつもカウンターを任せられる


紅茶や珈琲には専門の知識があったのだが、まさかこんな若い少年に教えられるとは


素直に少年に感心した



「勉強になりました

えっとホットですね。しばらくお待ちください」






「名前何ていうの?」

「え?」


先程出した珈琲も飲み終わり、立ち上がった少年に佳瑠は聞いた


少年はぱちくりと目を瞬かせて聞き返す
名前を聞かれるなんて思ってなかったのだろう


「名前」

佳瑠は1回目よりゆっくり言った

すると、少年は微笑んで


「秘密です」



佳瑠は勿論その答えに驚いたが
これもこの少年らしいかと思い、微笑みを返した


「そっか
また来てね、秘密くん」


そう言うと、秘密くんはははっと珍しく声をあげて笑った





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