ちぇんじ!
□第二話
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「あの、私は一体どうしていれば……」
「とりあえずボクに任せて!さ、らんま1/2の世界に…出発進行ーーーーー!!!!!」
「ちょっ、ひ、ひっぱらな……ひああああああああ!!!?」
***第二話***
「……ぅぅん…」
「ん?おお、気がついたかい?」
「え……?」
目を覚ますと、目の前には和風な家の天井。そして、長髪で口髭を生やしたおじさんが居た。
(だっ、誰!!?)
真琴はとっさに後ずさり、距離を取った。
そこで、自分が布団に寝かされていた事に気付いた。
「ああ大丈夫大丈夫、怪しい人じゃないから」
「(自分で怪しくないって言ってる時点で十分怪しいんだけど…)
…私どうして……すみません、ここは…?」
「ああ、わしは天道早雲。ここ、天道道場の道場主だよ」
「天道…道場……」
真琴は天道という響きに覚えがあったのだが、いまいち答えが見けられずにいた。
(天道…天道……何だったっけ…?たぶんここはもう"らんま1/2"の世界なんだろうから、きっとらんまで知ったんだろうけど……)
「きみは道場の前に倒れていて__……おーい、聞いてるかい?」
「っあ!すみません!!
えっと…助けて頂いたんですよね。ありがとうございました。
お布団まで借りてしまって…」
「いやいや大丈夫。きみは礼儀正しい子みたいだね」
いえ、と真琴は苦笑をした。
助けて貰った事に礼を言うのは当然だと思うのだが、何か変に思われたのだろうか。
そう少しだけ不安に思ったのも束の間、移した視線の先に、見覚えのあるピンク色が庭の茂みの陰で動いていた。
(カタル!!!?)
カタルは特徴的なピンク色の髪を揺らしながら、少々にやけ顔でこちらの様子を観察していた。
真琴が自分に気付いた事が分かると、彼女はニヤニヤと笑って手を振った。まるで「HAHA☆ヤッホー元気ー?」とでも言っているように。
あまりにもイラっとするその行動に、思わず冷めきった目で睨んでしまった。
「…きみ、どうしたんだい?」
「い、いえ!なんでもありません!!」
慌てて取り繕い、冷や汗をかきつつもう一度カタルを見た。
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