王子と王女と婚姻話
□はじまり
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「信じられないわ…まさかおじい様まで私を…」
祖父は唯一家族の中でミシェルの夢を認めてくれた人だ。
ミシェルにとって祖父は信頼できる相手であり、祖父にとっても可愛い可愛い孫だ。
だからこそ、ミシェルにくるお見合い話を断ってくれている。
「まあ話を聞いておくれ、ミシェル。
わしの話した許婚とは、見せかけの物なんじゃよ」
「え…?見せかけ?」
そうじゃよ、と祖父はミシェルをなだめながら話出す。
話が無駄に長かったので要約すると、
祖父の友人の孫も似たような境遇で、
お見合い話を断っても断っても来るものだから
仮に許婚を作ってお互いを理由にお見合いを断ろう。
という事らしい。(祖父はそれを言いたいがために30分以上時間を取った)
「…へぇー」
「反応が薄いのう…」
そりゃあ本当の許婚じゃないならどうでもいいし。
口に出しそうになったけれど押さえておく。
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