王子と王女と婚姻話
□はじまり
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「で、おじい様。その許婚(仮)って誰なのですか?」
「ん?どうでもいいんじゃないのかい?」
いくら許婚でも断る理由に相応しい人物でないと、断った相手に失礼だもの。
そう言うと祖父は少し間を置いて言った。
「ファザーンの第三王子、ルシア殿下じゃよ」
「…え?ファザーン?
うそおおおおお!!!??」
驚きのあまり目眩に襲われる。
「そんなに驚く事かい?」
驚きますとも!
いや、その前に
「…やった…!!私、私…!!
晴れて自由の身にー!」
きゃっきゃっと喜ぶミシェルに祖父は微笑みかける。
「いやー。じいちゃん頑張った甲斐があったよ」
「ふふ…これで私の時代が来たわ……!
自由!これで私は自由になるのよー!」
「………」
ミシェルのやや行き過ぎた喜びように、話を持って来た祖父自身呆気に取られていた。
「…今度話をするためにカトライアに行くからの。ちゃんと準備するんじゃよ」
To be continued
(2014/6/8 再編)