王子と王女と婚姻話
□第二話
2ページ/4ページ
ミシェルは今、ソファに座っている。
隣には祖父、テーブルを挟んで向かい側にルシアと法王。
ちなみにルシアは不貞腐れていてこちらを見向きもしない。
(…なにこの状況!?)
気まずい。非常に気まずい状況だ。
祖父と法王はそっちで勝手に話している。(おそらくこちらから話しかけなければ帰るまで話し続けるだろう。)
ルシアは機嫌が悪いため話しかけづらい。(ただでさえ身分の高い相手に慣れてないのに。)
(…なんか1人で焦ってて涙でてきそう…。)
何とかしてこの空気を打破したい。
しかしそんなスキルをミシェルが持っているはずがなくて。
絶賛後悔中。(帰りたい。)
「…あんたさ…」
「えっ?は、はいっ」
さっきまで眉間にしわを寄せて「話しかけてくるな」オーラを出していたルシアが(何を血迷ったか)話しかけてきた。
「この見合いをどう思ってんの?」
「え…?」
どう思っているかと聞かれても、正直これで少しの間だけでも自由になれるのならミシェルにとっては願ったり叶ったりだ。
その事をどういうべきか、少し悩んだ。
.