王子と王女と婚姻話
□第三話
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「あんたさ…この見合いをどう思ってんの?」
いきなり聞かれて驚いたのかなかなかはっきり答えない。
少し黙って待っていると、ミシェルは途切れ途切れに言った。
祖父が言った事だから。断る理由が出来た。
つまりこいつにとって俺は利用するだけの存在だと。
…何かむかつく。
「俺は嫌だね、こんな見合い。」
小さく、しかしはっきりと言った。
「…そういう言い方、ないんじゃないですか?」
ミシェルがさっきよりも低いトーンで言う。
おそらく今の俺の言動が癇に障ったんだろう。
(俺だってさっきムカついたし。)
「…そりゃ、いつも断ってくれる事には感謝するけどさ。
だからって見合いなんかしなくて良いだろ。いままで大丈夫だったんだから…」
ずっと同じような日々が続いて行くもんだと思っていた俺は、今の言葉になんの違和感も持たなかった。
しかし、
ミシェルは勢いよく立ちあがり俺を睨みつけて
「ふざけんじゃないわ!!!」
怒鳴り散らした。
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