王子と王女と婚姻話

□第三話
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「え、えっと…。」


すっげえ気まずいんですけど。
イラついていたらこっちが怒鳴られて、
怒鳴ったと思ったら急に大人しくなって。

つーかこっちもイラついてたんだから怒鳴り返しても良いよな?いや、俺にこの状況で出来る気がしない。
(怒鳴って泣かしたりでもしたら俺が祖父ちゃんに泣かされる。)


「…すみません。怒鳴ってしまって…。」


未だに青い顔で謝罪する。
まあ俺も無神経な事言ったと思うから良いけど。

ミシェルの言った事は正しかった。
正直正論すぎて困った。(怒鳴ってるときも高圧的だったが口調は丁寧だったし。)


「…私、どうしても親の決めたレールの上に行きたくないんです。

…だから、おじい様はそんな私を思ってこの話を提案してくれたんです。

でも、それは結局私の我儘で、私だって人の事言えないのに…失礼な事を言ってすみません。

どうしても許婚が嫌なら、断ってください。
それを止める権利は…私にはありません…。」


今にも泣きそうな顔で言っても断りづらいんだけど…。

でも、この話は俺にとっても悪い話じゃないんだ。


「互いに互いを利用するだけ…か。」


「え?」と首をかしげるミシェル。

本当の許婚同士ではないから何も束縛されることはない。
それどころか見合い話が減って、むしろプラスしかないような気がする。


「この許婚の話って、後からなかった事に出来るんだよな?」


「え?…は、はい。もちろんです!」


ミシェルの答えに、やっと決心がついた。


「分かった。契約だけする。」


そうすることで自由になれるなら

好きに出来るなら

こんな契約ぐらいいくらでもしてやる。



To be continued

あとがき

やっとお見合い終わりましたー。
思いの外長引きすぎました。
あと、この話ルシア視点でやる必要あったんでしょうかね?

まあ、それについては次回。

(2014/6/8 再編)
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