王子と王女と婚姻話

□第七話
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ここ一カ月で、ミシェルの周りは大きく変わった。

数日に一回はシャルロッテに会いに行った。
その時ルシアにも会って、3人で話す事が多くなった。

最初は母に言われて行っただけなのに、今ではミシェルにとってローゼンベルグの屋敷に行くのが楽しみになっていた。

とてもとても、幸せな気分だった。


___3ヶ月後



「…バルタザール陛下が…亡くなった…?」

「はい、左様でございます。」


もともとミシェルのように王族や貴族などは色んな人に狙われやすい。
暗殺なんて、日常茶飯事のようなものだ。
特にバルタザール陛下は今まで鮮やかな戦略で幾多の争いに勝ってきた。
…同時に、生々しい話も多く流れてきた。
狙われる理由なんて、星の数ほどあるだろう。

でも、あんなに大きな力を持っていたあの方が、そんな簡単に暗殺されるなんて思えない。


(…何か、あるのかしら…。)


しかし、いくら考えても分からない。


「う〜ん………?」

「どうなさいましたか、ミシェル様。」


悩んでいるミシェルに、報告していた母付きの使用人が心配そうに尋ねてきたため、「何でもないわ。」と答えると次の台詞が続いた。


「そのバルタザール陛下の葬儀の事なのですが…。」

「私に出席しなさいと?」


「いえ。」と予想と違った答えが返ってくる。


「葬儀には陛下が出席いたします。


ミシェル様は、しばらくファザーンには行かぬように、との事です。」

「え!?」


意外過ぎた。

時間のある限り行くようにさせていたあの母が行くなだなんて。
確かに暗殺なんて事件があった場所だから近づけないようにするのは普通なんだろうけど…。


「…分かったわ。報告ありがとう。」


「失礼いたしました。」恭しくしく礼をしてから部屋を出て行った。


(………また行くの、楽しみにしていたのにな…。)


ミシェルの大きなため息が、部屋に静かに広がり、消えた。



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