王子と王女と婚姻話
□第十話
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(ちくしょーマティアスの奴…!俺ばっかりこき使いやがって…!!)
2階の部屋で寝ていた俺はいきなりマティアスにたたき起こされた。(正確にはマティアスに言われてアルフレートが起こしたのだが。)
のどが渇いたから飲み物を持って来いというのだ。
「俺が行くより自分で行った方がずっと早いだろ!」
ぶちぶち文句を言いつつもなるべく速足でリビングに向かっている俺はティアナに劣らずお人よしだと思う。
誰かこんな俺を褒めてくれ。
階段を下りて走ってリビングに入った。
__そしてそのままUターン。
何でかって?
いるはずの無い人がいるからだよ。
(な、何でミシェルがここにいるんだよ!?)
慌てて出ようとすると「待って!」と引き止められた。
思わず足を止めて少しだけ後ろを振り返る。
いつものレースの多い服と違いシンプルなワンピースタイプのわりと動きやすそうな格好をしている。
髪も1つに束ねてすっきりと清潔的な印象を受ける。
ミシェルは俺が立ち止った事に驚いていた。(自分が引き止めたんだろ。)
どんな言葉をかけられるのか待っていると、こんな台詞が来た。
「えっと…おいで?」
………疑問形かよ!!
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