王子と王女と婚姻話
□第十五話
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「え、ミシェル??」
「あ、ルシア…」
2人はマルトリッツ家の屋敷で会った。
(何でルシアがここにいるんだろ?)
特に気にしているわけでもなくのんびりと考えるミシェルに対し、
(何でミシェルが!?今日は用事があるとか言ってて会えないと思ってたけど…いや、ここにいるってことは用事ってエリクに!?)
あまり顔に出さないようにしているが内心ドッキドキなルシア
見事に対極的な2人である。
「こんにちは、ルシア。
まさかここで会うとは思っていませんでした。」
「あ、ああ…こんにちは…
いや、ミシェルがここにいる方が珍しいだろ。」
「ふふ、私はエリク殿下に絵を描いていただく約束をしているんですよ。」
「へ、へえー………」
ミシェルが「ルシアもエリク殿下に何か御用ですか?」と聞けば「まあちょっと。」と曖昧な返事が返って来た。
その流れで、2人は一緒にエリクの下に訪ねる事になった。
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