王子と王女と婚姻話

□第十五話
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エリクが絵を描き終わりミシェルはもう帰る事になった。

そこで俺はミシェルを国境近くまで送る事になった。


ミシェルは髪を下ろし、服は来た時と同じ服を着ている。

正直に言えばあのままの格好だったら途中で逃げ出していたかと思う。


「…えっと…ミシェル、寒くはないか?」

「大丈夫ですよ。」

「あー…じゃあ………。」


会話が途切れると何だか居た堪れなくなるので何とか話題を探って入れば、ミシェルが急に笑い出した。


「なんだかさっきから心配ばかりしてますよ?」

「え、そうか?」

「ふふっ、そうですよ
優しいですね、ルシアは。」


にこっと優しく笑いかけてくるミシェルにどきりとする。

最近良く会っているからだろうか、前よりも笑顔を見せてくれるようになった。


「最近よく会うようになりましたよね、私達。」


ちょうど同じ事を考えていて少し嬉しくなる。

視線が交わらないように気を使いながらミシェルの様子を見ると、俯きがちに指先をいじっていた。

どうかしたのかと口を開こうとしたその前に、ミシェルが顔を上げた。


「あ、あのねルシア…!」


俺の服の裾をきゅっと握り何かを必死に伝えようとするミシェル。
この行動が計算だったら怖いと思う。(天然でやっているならさらに怖いが。)


「え、えっとね…




ずっと友達でいてね!」


(………え?)


良かったー言えたーと安心したようにミシェルは笑っているが、俺はこの展開について行けずにいた。


"ずっと友達でいてね"



………つまり、失恋?



To be continued


あとがき

ただ単に「ずっと友達でいてね!」と言われるルシアが書きたかっただけです。

本当に私の家のルシアは可哀相な位置にいますね…まあ本家でも可哀相だったので良いんじゃないかなーなんて思います。
(これは管理人のやや歪んだ愛です。)

惚れ直したと思ったらえ?失恋?という展開に。どうあの展開まで持って行こうかなーと模索中です。

ここまで読んで下さりありがとうございました!
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