王子と王女と婚姻話
□最終話
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「「おめでとう!!」」
「「え!!?」」
想いが通じ合い、照れながらも手を取り合って微笑んでいたルシアとミシェルは少なからず驚いた。
何故なら、近くの生垣から突然2人の人影が姿を現したからだ。
その2人というのはミカエルとエリクだった。
「いやぁ〜見てるこっちがドキドキさせられたよ〜。
ミシェル、ルシア、おめでとう!!」
「本当に良かったよ、2人が結ばれて!」
嬉々と話す彼らに、ルシアもミシェルもついていけないでいた。
ただ呆然と彼らを眺めていた。
が、
「__っと、折角の会瀬を邪魔しちゃあ悪いね。邪魔者は退散するとしようかな。」
「あ、そっか。ごめんねルシア、ミシェル姫。
じゃあね、2人とも!」
「って、ちょっと待てぇええええ!!!」
「な、な、何言ってるんですか!!」
そそくさと退散しようとする2人に、ハッとして赤面しながらも全力で止める。
「何だよ〜ミシェル〜惚気話は家でたっぷり聞いてやるからさぁ。」
「だっ、だから何をおっしゃって居るのですかお兄様!!
そう言う問題では無くて!!」
「照れちゃって〜可愛いなぁ俺の妹は!」
「で、ですから〜!!!」
にやにやと笑うミカエルにミシェルは更に顔を真っ赤にして抗議する。
それが余計にミカエルの悪戯心をくすぐっている事も知らずに、だ。
そんな兄妹の、端から見れば微笑ましい会話は、もう1つの兄弟によって遮られた。
「ミシェル姫……。」
「エリク殿下?何でしょ…って、ルシア…何故エリク殿下の後ろ襟を掴んで居るのですか…?」
「エリク。」
「うっ…わ、分かったからその顔怖いからやめてよルシアぁ〜!」
ルシアによる無言の圧力によって、エリクは恐々とミシェルを見た。そして、
「ミシェル姫……ごめんなさい!!」
「…え?」
突然謝罪した。
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