BOOK
□始まり
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「ピエロだ」
小さい子供みたいに目を輝かせる怜哀が少し面白かった。
「Let's ShowTime!!!」
ピエロが一際大きな声を出すと、ショーをするステージから二人の男の人が出てきた。
「うわ・・・」
その二人はアクロバティックなジャグリングを見せてくれた。
次はトランポリン。
数人の男女がトランポリンの上で縄跳びや五人くらいの肩車をしていて、怜哀の目はますます輝いていた。
その次はドッグショー。
小さな犬や大きな犬がつなわたりをしたり玉乗りをしたりと、動物好きな怜哀にはもってこいの演目だった。
10分の休憩を挟んだ後は、椅子を積み上げて行くチェアマンハッタンというショーだ。
最初はバランスよく椅子を積み上げていくが、最後は少し押しただけで倒れそうな程バランスの悪い積み上げかただ。
一人の女の人がその上で逆立ちやジャンピを見せてくれるが、
こちらは冷や汗をかかされる。
他にもたくさんの演目が次々と披露されていく。
最後の演目は空中ブランコだ。
空中で何回転もしたあとに、ブランコに手を伸ばし、成功させる。
最後のショーが終わり、テント内が明るくなった。
―――此処からだ。
俺達がこのサーカス団と
共に過ごしていくきっかけになったのは―――