04/01の日記
10:51
英国紳士とエイプリル APH
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やっべ。寝坊した
↓拍手と迷ったけど小説投下
「お前さ、俺の事どう思ってる?」
「……はい?」
あまりに唐突な質問に思わず目の前でニヤニヤ頬杖をついて笑ってる彼を凝視する。何を言ってるんだこの人は
紅茶好きによって(無理矢理)仲良くなった彼は、実は国の擬人化とかで。お気に入りの店で会うだけだった関係がこうして家にお呼ばれするくらいになった頃……いきなり告げられた事実ーーだと思う。実際、イギリスを全部ひっくるめたような性格をしてたりするし、見た目が二十歳前後に見えるのにも関わらず昔の事についてスゴく詳しく語ってくれたりしたのには驚いた。最初は何言ってんのこの人とか思ってたけど
「いきなりなんですか」
急だったから危うく紅茶を溢すところだったじゃないですか。そういう文句も込めて彼を見るも、素知らぬ顔
もう慣れたけど、この人の大人なのに時々子供っぽくなるとこどうにかならないのかな。特に、フランシスさん……フランスさん、あまり変わらないな。が、やってきた時なんかぽこぽこ怒ったりして。普段から口癖のように言ってる英国紳士の面影はゼロだ
「いいから。日本でもこういうのあるんだろ?エイプリルフール」
「…………またいつものからかいですか」
私にも、こうして皮肉やら冗談やらを言ってくるようになって。前に『国である俺達がこうして深く関わる事なんて滅多にないんだから感謝しろ』ってドヤ顔で言われた時は思わず嫌ですって即答しそうになったよ
すぐにフォローというか……フランスさんが、イギリスは友達いなかったから嬉しいんだよみたいな事言われたけど。国同士に友人関係ってあるんだ。あと、私って友達なんだ
「あるにはありますけど……そういうのって、友達以上……恋人同士でやるものですよね?」
やった事ないから知らないけど。というか、今日が四月一日だって春休みだった事もあって今気付いたし
「んだよ。ノリ悪いな。……でも、まぁそういうお前の性格俺は嫌いじゃないな」
どっちだよ。ウソか本当か分かりにくいなこの人は
あー、そうか。妙にノリノリだったわけがやっと分かった。……全部このためか
「私も、そのアーサーさんのめんど……いつも若々しいその性格好きですよ」
素晴らしきかな日本語の万能性。意味が伝わったのか不服そうな顔されたけど
「そうか。その瞳、黒水晶みたいに透き通ってて綺麗だよな」
「……っ、は。…………せ、Thank you」
ヤバい、むせそうになった。いつもとは別人みたいに褒めだすアーサーさんに落ち着かなくなる
「なぁ?それで、お前は俺の事愛してるって言ってくれるか?」
「……随分と厄介な質問ですね。てか、最初と質問違うよね?」
あー、もう。こういうとこのせいだよ。いまいち好きになれないの。……好きになってもどうせフラれるだろうけど。そう思いながら、時計の針が動く音を耳にした
「私は……愛して、ます……かね?」
嘘でも言うにはひけるこの台詞。はっきりと好き嫌いは分からないがため、曖昧な言い方しか出来なかった
「なんでそこ疑問系なんだよ。まぁ、いいか。聞きたい事は聞けたし」
そう言ってティーセットを片付けだすアーサーさんをぼんやりと目で追う。……今まで嫌いな相手に紅茶振る舞ってたのかこの人は。明日から来ない方がいいかな?毎回誘ってくるの向こうだけど
「ああ、それとな」
現在の時刻は12時を過ぎたところで。扉の前でクルリと振り返ったアーサーさんの視線が時計に移り、私もそれを追う
「……時計が何か?」
もう帰れってか?わけが分からず首をかしげてたら、いたずらっぽく笑い
「イギリスのエイプリルフールは午前中だけって決まってんだ。嘘は言ってないからな」
満面の笑顔でそう言って、扉の向こうに消えてったアーサーさんを、ただただ茫然と見送る事しか出来なかった
「え……えぇ?ええぇえええ!!?」
しばらく経って口に出たのは驚きだった
そこからお付きあいが始まるのはもう少し後の事
「……ねぇ、坊ちゃん。お前は女の子に告白するのにもこんなひねくれた方法しかとれねーの?」
「げ、フランス……テメェ、いたのかよ」
「いたよ!?ずっと待ってたんだよ俺!?良い雰囲気なのを邪魔してやりたいのを堪えてね!?」
「……うぜぇ、帰れ。い、いいだろ別に!言いたい事は伝わったわけだし!」
「あれじゃあ、誤解するだろ。ったくもー、このひねくれ坊やは……」
「うっせぇ!!」
最後の占めは世界のお兄さんで。ドーヴァー組好きなんです
エイプリルフール、一日中じゃなくて午前中だというので思い付いたネタ。冒頭にもあるけど拍手と迷った。けどこっちの方がクッション代わりになっていいかなと。……拍手にはのせないぞー
午前だけはエイプリル。あと二時間(/ω・\)チラッ
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