BLUE MOON
□Prologue
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「………おい、」
―――――静かに、しかし恐ろしいほどの威圧感を感じさせる声
高めのアルト声を発したのは、先程から黙っていた、フードの人物。
フードの下から見えたのは―――冷たい光を宿した金
「さっきから黙って聞いてれば………お前ら、馬鹿だろ」
「な、なんだと!?」
怯えと怒りを滲[ニジ]ませた妖怪の声を聞いても、フードの人物は淡々と言葉を発する。
「事実だろ?俺が黙ったままだから『怖じ気付いた』って結論出す時点で馬鹿だし
―――良い事、教えてやるよ」
突如、凄まじい風が彼らを包む
「雑魚がどれだけ集まっても、雑魚に変わりはねーんだよ
“かまいたち”」
彼が腕を軽く振った―――――瞬間、彼の周囲が赤く染まった
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