ぬらりひょんの孫長編U

□#1 もう一つの封印
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「陰(いん)の封印――――・・・?」

羽「そうじゃ。八つの封印と共に、もう一つ、わらわの悲願に必要な者が封印されておる。
それこそが・・・我が愛しい愛娘・・・佳澄が封印されておる―陰の封印―・・」



狂「お姉さまの娘・・!?」



羽「やや子の誕生・・・これは幾度も幾度も潰されてきた・・。
だが佳澄だけは・・・誰にも邪魔をされずにこの世に。
それなのにまたしても・・・!!花開院の陰陽師・・・まだ幼かったわらわの子を封印しおったのじゃ・・!!!!
一番強力な封印術によって・・・!!!!!!」


鏖「しかしその陰の間も目前。佳澄様が復活されれば・・・
我々の目的はたやすく達成されましょうぞ!ヒィッヒヒヒヒ!!」


羽「・・・そうじゃな。ああやっと・・。力を手にした・・!
・・・佳澄よ待っておれ・・。もうすぐ母が・・・その穢れた場所から開放してやるぞ・・・!!」




















狂「・・・なんて結界・・・・。」


そこには・・・札や念力の込められた鎖や縄。ありとあらゆる封印が何十にも施されていた。


茨「やれんのか?羽衣狐」


羽「わらわを誰だと思うておる。
それこそ、何百年もかけて集めた力・・・。こんな封印ごときで・・・!!」



札を破り、縄を千切り。

羽衣狐は佳澄が封印されている湖の中心へと進んでいった。



羽「おのれ・・!陰陽師どもめ・・!!
わらわの・・・わらわの愛しい子を・・・こんな場所へ封印しおって!」


怒りの念を込め、封印を解いた。





ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・!!


湖が乱れ、地響きが聞こえる。



封印の中心から黒い炎のようなものが円を描くように渦巻く。




あたり一面を莫大な妖気が襲い、ビュウビュウと強風を巻き起こしている。



羽「おお・・!おお!!
わが子・・・!!!わらわの愛しい娘よ・・!!!母はここにおるぞぇ!」










『母・・・さん・・・』
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