ぬらりひょんの孫長編U

□#5.5 昔話もたまには良い
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皆さんどうも、佳澄です。

先日、幸福な事に童子と恋仲になる事ができまして。

とても気分がよくふわふわしてる佳澄です。

今は幸せの絶頂なアタシですが、封印される前、茨木童子に“ある騒ぎ”で妬いたことがあるんですヨ(笑。




時はさかのぼって400年前。







当時、12の佳澄は城の中で母と同じく兄が再びこの世に生を成す事を願っていた。



『ねーぇ母さま。兄さんまだぁ?』

羽「ん〜?そうじゃのぅ。もう少しの辛抱じゃ佳澄」

『ふーん・・・』

羽衣狐の腹をさする手に自らの手を重ねた。

『ここに・・・兄さんがいるんだね。兄さんの、御霊・・。
アタシは兄さんと違って人間の血は流れてないから、寿命も半端ないし実際何百年も生きてても
12にしか見えないけど兄さんは違うんだね。不思議だね』

羽「ほほ、そうじゃのぅ。」







そんな他愛もない話でほわほわとしていたのは朝。








『ん〜・・・母さま・・・』

羽「どうした妾の佳澄?」

『目が覚めちゃった・・。ん?どうしたの、みんな集まっちゃってぇ〜・・・』

羽「ほほ、なんでもない、主は部屋に行っておれ」

『やぁだ。ここにいる』

羽「ここにいても面白い事は起こらんぞぇ?」

『いい。ここで寝る』

と、羽衣狐の前に円になって座る妖達を見た。

し「なんと愛らしい・・」

茨「オイ気色悪ィ事いってんじゃねえぞしょうけら」

し「フン、貴様には分かるまい姫の麗しき容姿がどれほどか!」

茨「あ?分かってたまるか。テメェじゃねーんだよ」

『・・・』

佳澄は、てててっと茨木童子のもとへ。

茨「あ?」

し「佳澄様?」

『童子、寝やすそうだから動かないでね』

茨木童子は言われている意味がよく分からず少し首を傾けた。



茨「な、何してんだ佳澄・・」



驚きと意味不明といった、よく分からない声で佳澄に問う。

『膝借りるね。ここで寝る』

当然のような顔で、いそいそと茨木童子の膝の上、腕の間にすっぽり収まって寝息を立てた。









茨「・・・・・・寝床扱いか」
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