ぬらりひょんの孫長編U

□#3 土蜘蛛と怒りの一撃。
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土蜘蛛はキセルをふかしながら続ける。

土「お前ェらとツルんだ覚えはねェ。お前ェらが何をしようと知らん。ワシは強ェ奴と殺り合えりゃそれでいい。」

と、すこし間をあけてまた言う。

土「そんな奴が・・・この時代にいるのかァ?」




『じゃあさ』




と、女の声。

周りの視線はその人物に注がれる。


『アタシが相手しようか?土蜘蛛』



もちろん、名乗りを上げたのは、佳澄だ。


羽「な―――!何を言っておる佳澄!そんなことをしてお前が怪我してしまったらわらわは・・!!」

『だいじょうぶ!そん時は自己責任。』

土「アァ?お前ェは・・。見たことある顔だなァ・・・?」

『羽衣狐が娘、佳澄。よろしく。


今からアタシとアンタ、タイマン張ってもしあたしが勝ったら・・・あたし等に協力してくれよ』

土「もし俺が勝ったら?」

『そのままアタシを殺しちまうのも良し、新たに強者を探すのも良し。
はたまた両方でも良し。どう?アンタにとって、最高に良い物件だと思うんだけど?』

土「良いだろう。にしてもお前ェ・・・どっかで見たと思ったら・・勝手に陰陽師に喧嘩売りにいって、おまけに封印されちまったマヌケか」

『あーそうだ。否定はしないよ、事実だし。
だがお前もそうじゃないか』

土「フン。羽衣狐の娘といってもそんな程度じゃ・・・お前もたいしたことねェかもなァ、羽衣狐さんよォ?」















ドウッッッッッッッ!!!!!!!!












大砲でも撃ったかのような音が響き、土蜘蛛の姿が消えた。









ットン。






短く切った黒髪を細かくなびかせながら、先ほどとのほがらかな笑みとは打って変わって、激昂したような表情を見せる佳澄。



『土蜘蛛よォ・・・。アタシはいいよ。アタシは優しいから、どんだけ罵られようが何も思わないし怒らない。
でも・・・アタシの家族・・・母さんを馬鹿にするのは許さん。



殺すぞ、土蜘蛛

土「驚いたなァ。その小さくて細っこい体のどこにこんな怪力があるってんだ?
コイツァ・・・・面白ェェェ!!!」



最初の拳を振り上げ、まっすぐ佳澄に向かって放った。



ふわりふわり、と決して遅くない土蜘蛛の拳を華麗にかわす佳澄。


羽「止めぬか土蜘蛛!!佳澄ももう良い!わらわはもうお前を失いとうはない!!」

『!』

土「よそ見してんじゃねぇーー!!!」

『――――!(しまった!)』


バシィ!!
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