ぬらりひょんの孫長編U
□#4 鵺ヶ池と幼き記憶。
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そうして、弐条へ足を踏み入れた羽衣狐たち。
羽衣狐は、鵺ヶ池の中で、清明の誕生を心待ちにしていた。
羽「よしよし・・・わが子よ・・・」
『ねえ、一体どれくらい待てば兄さんに会えるの?』
塵「それは羽衣狐様にしか分かりませぬ。しかし、そう長くはかかりますまい、ヒヒヒヒ・・」
『あ、そう・・・(汗)』
佳澄はクイクイと茨木童子の袖を引っ張った。
『ちょ、童子・・なんかあのおじいさん恐い・・!何あの人・・!アタシが封じられてる間なにがあったの?!鞍馬のオッサンどこいった!?』
茨「あ?鞍馬?何いってやがる。」
『・・・は?鞍馬っつったらあの天狗しかいないでしょ?あんたが何いってんのよ?』
茨「だから誰だよ?」
『・・・?(どうなってんの?)』
羽「ああ・・ここに溜まる怨念が、わらわに力をくれる・・。封印を解き、やや子を産めと言うてくれる・・・」
『!』
し「おお・・・。おお・・!聖母様・・・ついに主を生むのですね・・!」
と、それまで佳澄と話していた茨木童子が向きを変えて、
茨「オイこらしょうけら・・斬り殺すぞ。
鵺だっつってんだろ。それに羽衣狐は聖母なんて名前じゃねえ。このナルシストのクソ野郎」
し「このお方こそ、闇の聖母」
茨「変なあだ名つけんじゃねえ面白くもなんともねえぞカス虫野郎・・!」
し「私は真剣だ茨木童子。そのためにわれらは400年前から仕えているのだろう?」
『・・・ねえ、狂骨ちゃん。コイツら未だに仲悪いの?』
狂「はい・・(汗)もう二人ともしっかりして!」
塵「ヒィッヒヒ、仲悪いのぅあの二人。しかし、あの方の前では同じ方向に向きを変える」
羽「茨木童子、しょうけら」
羽衣狐が二人を呼ぶ。
羽「京を制圧し、まととなった。わらわの為に、生き胆を集めておくれ。良いな?」
茨「御意」
し「部下共を総動員させ、一晩のうちに一万の胆を集めてみせます」
羽衣狐はニコッと微笑んで見せた。
『えー?母さん、アタシには何か仕事ないのォ?たとえば、陰陽師殺しとか陰陽師殺しとか陰陽師殺しとか』
狂「佳澄様、それ陰陽師殺ししかないです;」
羽「お前はいわば、わらわ達の姫。ぬしは動かずとも良い。てゆーか動かれても困る」
『ええ!?母さんそれ私情挟んでるよね?!私情だよね!?』
羽「では・・・・・二人のどちらかに付いていくが良い。単独よりはマシであろう」
『もー、とことん過保護なんだから』
し「漆黒の女神、私がお守りいたしましょうか?野蛮な茨木童子に任せてはおけません」
『どーしよっかな。どっちも面白そうなんだけど。んじゃー・・・・童子。決定!』
茨「ァあ?!冗談じゃねぇ。しょうけらんとこ行きゃいいだろーが!」
し「女神様!ホントにいいのですかこんな奴で!」
『うん。コイツよく暴れるから面白いだろ?』
羽「茨木ィ〜童子ィ〜!佳澄に傷一つでも負わせたら分かっておろうなァあ〜〜?」
茨「・・・・。チッ。勝手にしろ」
狂「ねえしょうけら。」
し「なんだ?」
狂「佳澄様って、絶対茨木童子の事、好きだよねぇ!茨木のほうもまんざらでもない顔だったしさァ!!」
し・羽「みとめん!!!」
狂「お姉さまァ!!?」