ぬらりひょんの孫長編U
□#4 鵺ヶ池と幼き記憶。
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『ねー童子』
茨「あ?」
『あの・・黒い色見てさ。思い出しちゃった』
茨「何をだよ」
『アタシが500年前よりもっと小さなときだと思うんだけど・・。』
茨「・・・」
晴「母よ・・・私をもう一度、産んではくれまいか」
燃え盛る炎の中、人影はそこにあった。
1000年前の、記憶。
晴「貴様等ァァ・・・・!!
闘えぬ母を何故討ったァァァァ!!!!!」
晴「堕ちろ人共!!!貴様等は、上に立つべきではない!!!」
母さんを傷つけられた兄さんは激昂し・・
またたくまに火の海。
晴「・・人は愚かだ・・。!・・佳澄・・・・佳澄はどこだ?姿が見えぬ!」
ガササッ!と、茂みから、佳澄が現れた。
『あ・・・に・・うえ・・・・!!』
晴「佳澄!どこに居たのだ・・・?その怪我は・・・」
服はボロボロで、肩から出血していた。
『・・・お母さん・・・アタシ・・・・お母さん・・・守れなくっ・・・て・・!
お母さん・・・アタシをかばって・・・!
ごめんなさい・・・!!ごめんなさいぃぃぃぃ・・・!!!!』
ボロボロと泣き崩れ、気絶した。
晴「茨木!」
茨木童子は黙って、その小さな身体を抱き上げ、清明と共に、去っていった。
『・・・あのときは本気で死ぬかと思ったなー。・・・あれ?思えばさー、その時も、土蜘蛛のときも、助けてくれたの童子だね(笑)』
茨「たまたまだ」
『へー残念だなぁ。』
茨「ニヤついてんじゃねぇ」
『でもねー童子。アタシ多分、どんだけ自分の意思と食い違った事されても・・母さんや兄さんに牙を剥くことは、出来ないとおもうんだ。
アタシ・・・あの時、母さんを守れなかったし・・兄さんが進むはずだった“道”を塞いじゃったから・・。』
茨「・・・」
『ねえ!童子は、絶対アタシの傍にいてよ』
茨「何でだよ。お前みてぇなじゃじゃ馬冗談じゃねぇ」
『何だよ連れないなぁ〜。そこは“うん”って言ってくれたらさぁ・・』
茨「くれたら?」
『・・・・なんでもなーい』
傍にいろ、だァ?
当たり前だろ。
意地でも離さねぇ。
俺はずっと
お前を想って、守ってきたんだからよ。
お前が好きなんだよ。