ぬらりひょんの孫長編U

□#5.5 昔話もたまには良い
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茨「起きろ。おい起きろ佳澄」

『ん・・・んー何よ童子。アタシの眠りを妨げるなんていい度胸・・・・あれ?』


目の前には四人の知らない女たち。

『・・・誰?あの女達・・・』

茨「今回は能力者の胆を喰らうらしいな」

『ふーん。で、なんで起こしたの?』

茨「いい加減重てぇ。」

『うわー女の子に向かってひどい』

ゴキュ・・ゴキュ・・

と生き胆が喉をとおる音が静かに聞こえた。

『・・・何度見ても・・・同性愛の描写が疑われるね』

茨「言うな佳澄」

『いやもう言っちゃったけど』

茨「つーかテメーはさっさと俺の膝からおりろ」

『むぅー・・』

しぶしぶ膝から降りる。



ゴクンッ


羽「ん・・・やはり凡人の肝とは違う・・ぅやや子も喜んでおるわ・・ふふふふふ・・・」

『なるほど・・。能力者の肝なら力が強いんだね』


貞「ああ・・あ・・やっぱり食べられてしまうのね・・私の見た未来が現実に・・」

青ざめた表情のままバッと立ち上がる貞姫。

貞「外にィィィィ出してぇぇぇ!!」

『うるさっ。まぁ待ってよお姉ちゃん・・』

貞「ッ・・子供・・・??」

『いーから黙って・・・食べられて?』

貞「ひィッ・・・?!!いやぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

少女から伸びた黒い尾に巻き付かれ、再び、羽衣狐の元へ差し出された。


バリュ・・ゴキュ・・ゴキュ・・・


『なむ〜』

手をすり合わせて拝む佳澄。
人間を喰らわせる事に抵抗は全く伺えない。

珱「(あの小さな子も・・・妖・・?!)」

治癒能力を持ち、京一の美貌といわれる珱姫は真珠の涙を流す苔姫を抱きしめる。

羽「恐れることはない珱姫・・。そなたたちの血肉は妖怪千年の京の礎となるのだから」

そう言い、ゆっくりと姫に近づいた。

羽「ゆだねよ、美しき姫」

『(残り一人か・・・)』

二人の姫君達の死体を黒狐の尾で運びながら、母の姿を見つめる佳澄。





タタタタタタッ



足音・・・!


『――――!!!母さま!!!』

羽「!」

ガキィィィッ!!!


いち早く反応した佳澄の叫びと金属がぶつかった音。







『誰だ・・・あれ・・・』
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