ぬらりひょんの孫長編U

□#7 知られざる存在
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『あらら、未熟なお嬢さん。


アタシのこの能力って幅広く扱えるけど、威力は弱いんだよね。
強力な力を持ってる雪女がこんな炎に押し負けるなんて、奴良組ってザコの集まり?』




氷「うッ・・くう・・」




氷麗は雪女なだけに、熱には弱い。
きっと、痛みやヤケドは相当なものだろう。


リ「氷麗!!」


リクオは駆け寄って、佳澄に刃を向けた。


『何だよ、その眼。


あー、部下がやられてキレてんだ?

でも、こっちだってアンタ等のこと、殺してもたりない程憎んでるんだけど?』





リ「お前らは・・間違ってる」





『・・。おーい孫、後ろ。


リ「!!!」


茨「貴様がぬらりひょんの孫か」




ガキィイン!!!


間一髪。



氷麗をも庇い、もう少しのところで刃を防いだリクオ。



『おしい!

っつか、童子、どこ行ってたの』


佳澄は指をパチンと鳴らして笑う。


茨「オイ、そりゃ俺のセリフだ。あちこち探したっつんだよ」



『ごめんごめん。・・もーちょいで殺せたのになー。
教えるべきじゃなかったかな』



茨「ハッ。関係ねぇ、俺が斬り刻んでやる」


二刀構えて、リクオめがけて走り出す・・


瞬間、茨木童子の動きが止まった。

同時に、リクオの前には金髪の青年と、黒髪の僧侶のような青年が立っていた。



黒「・・羽衣狐に娘がいたのは初耳だったが、これ以上好きにさせるわけにはいかん」



「へぇ?」


佳澄はなおも余裕の表情。

と、鬼童丸が佳澄の前に出た。




鬼「佳澄様、お下がり下さい。
ここは私がお引き受けしましょう」


「あ、そう?じゃあお任せしようかな。


アタシは、破軍の小娘を殺る



指名を受け、向けられた殺気に冷や汗が伝う。


しかし、ゆらも陰陽師。それも破軍使いだ。

ここで怖じ気づいている場合ではなかった。



ゆ「・・!上等や!かかってきィ!!」


式神を手に、啖呵をきった。





そして各々、刀を交える音が聞こえた。



佳澄は、ゆらと対峙していた。


秀「君は・・どっかで見た顔やなぁ?」









「・・自分が封印した妖くらい、覚えとけば?

先に言っとくけど、兄さんが復活して世界を手に入れたって、
お前達花開院の陰陽師は全員アタシが殺すよ」


秀「あの時の恨み、ボク自身に与えられなくて残念やったね。
君の顔見る限り、相当恨んでるようやけど」

ゆ「・・?」


話が見えず、ゆらは、秀元と佳澄を交互に見た。



「当たり前だろ。アンタやぬらりひょんのせいで母さんだけじゃない・・下のモンまで苦汁を舐めてきたんだ。

・・よくここまで踏ん張ってくれたよ、アイツら。

だからアタシは、母さんや兄さん、協力してくれた妖共の為に、全力でお前達を潰す!



2度と・・あたし等の前に姿を現せなくなるまでなァ!!!」







続く
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