ぬらりひょんの孫長編U

□#8 待ち望んだこの時
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茨「鬼童丸!!」



「!」



茨木童子の声にクンッ!と佳澄の拳が止まった。



ゆ「(隙ができた!)」


――黄泉送葬、水包銃!!



バシュンッ!!!



「ッ!!(チィ!油断した!!)」



辛うじて尾で防いだ。



その勢いで、後ろに退いた。


茨木童子と佳澄の手を止めたものは、鬼童丸だった。



鬼童丸はリクオの前に倒れた。




―――何があった?・・あのガキ、そんなにできる奴だったのか?





――甘く見すぎていたか。




驚きは少なからずある。


なにしろ、佳澄や鬼童丸、茨木童子は奴良リクオとは比べ物にならないほど生きてきたし、実戦経験もあるのだから。


それを、どこの馬の骨とも知れないぽっと出の若造に今、鬼童丸が片膝をつかされている。

加勢に回るか?


しかし・・そうそう他人の戦いに首を突っ込むものでもない。


母さんの出産までの、あとわずかな時間。もってくれるといいが。

さて、どうしたものかな。




ゆ「よそ見してる場合とちゃうで!女狐ェェッ!!!」


ババババッ!!



ゆらは、自分から意識を離している佳澄めがけて水包銃を連射した。






「今考えごとしてんだから邪魔すんな。

黙ってろ。



ゆ「うあッ!!!」


放たれた水包銃は、尾によって容易く叩き落とされ、ゆらは吹き飛んだ。


秀「ゆらちゃん!」





――あかん、完全に軽くあしらわれてる・・。
黒狐佳澄・・脅威、と認識するには充分すぎる強さ・・。


あの時・・“封印”するのではなく、“滅する”べきやった、ゆー事か・・



ただでさえ、余興好きのあの女狐の血を引く娘や・・。




彼女の本心は、弄って弄って散々弄んだすえ
に殺す、こんなトコやろか。













その時だ。




ゴゴゴゴゴゴ!!





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