最小公倍数

□七話
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1人思考に陥っている間に、啓吾が朽木さんを見つけてはしゃいでいた。


「あ、彼女一護が口説き落としてつれてきたんだよ?」


「バッ…ちが…」


さらりと嘘をつくと啓吾が一護に詰め寄る。


でも多分この後の反応は…。


「グッジョブ!!」


…ですよね。


戸惑い気味の朽木さんに1人で自己紹介をした後、啓吾はパーティーだと言い始めた。


…コーヒー牛乳とやきそばパンで?


かくいう僕もコンビニ弁当なんだけどね。


朽木さんはこっちの騒ぎにものともせず、パックのジュースを飲んでいる。


不意に。


――ドン


「おうッ!?」


啓吾が、蹴られた。


「っ痛ーな!なにす…る……」


僕も吊られてそちらの方を見ると、そこにいたのは4月に停学になっていた大島だった。


「大島…停学とけたのか…」


啓吾が大島に問う。


勇気あるなぁ…


「オメーにゃ話してねーよ。黒崎テメーいつになったら頭染めてくんだよ
髪染めててタレ目って俺とキャラ モロカブリなんだよ」


ぶはっ
思わず吹いてしまうところだった。


勿論心の中だけで留めたよ?さらに面倒なことにしたくないから、ね


「ウルセーな。コレは地毛だって何回言わせんだよ。ていうかキャラも被ってねー
テメーこそどうにかしろ、このヒヨコヘッド。オスメス調べられてーか」


一護のセリフに、大島はすでにきれそうだ。


え、僕?笑い堪えるのに必死ですが?←


険悪な空気に耐えられなくなったのか、啓吾が間に入った。


…が、更に一護が煽る。


いい性格してるなぁ、一護(笑)


「テメーとはいつか決着つけなきゃなんねーとは思ってたんだ
ちょうどいい…今ここでハッキリと白黒つけてやれ!!」


…え?


「め、メリケンサック…!まてよ大島そんなキレなくても…」


必死に止める啓吾に悪いけど、気になる。


…なんで誰もやれに突っ込まないんだろう


「へへ…今更謝っても遅ぇ…」


言葉を続けようとする大島の体が突如として中に投げられた。


これができるのを、僕は一人しか知らない。


ゆっくりと振り向いた先にいる褐色の巨体に、僕はやんわりと笑みを浮かべたのだった。




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