小説2

□出会う前の僕らは・・・
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銀時が歌舞伎町に来てから
もう1年が経った。
いつの間にかこの餓鬼の周りには
人が集まるようになり
店にもよく客が入るようになった。
客といっても雑談をするだけのだが。
店に入れば客は客だ。

「銀さん 聞いてよ〜〜〜
ウチの女房がね〜〜」

聞き上手のうえ話し上手なものだから
よく相談をされている所をよく見る。

「女も男もずっと同じ顔ばっかみてたら
そりゃ飽きもするわ。
倦怠期がちょうどきたんじゃねーの?」

「そんな〜〜〜俺は女房のこと
毎日見てても飽きないよ〜〜〜」

「・・・・・・・・そうか
ごめん 俺あんたの嫁さんの気持ちも
分からんでもないわ」

「銀さ〜〜〜ん(泣)」



「あんた 何か客商売でもやったらどうだ」

「えーー 」

「もう1年も経ってんだよ。」

「まだ1年だろ それを云うなら」

「このクソ餓鬼 いい加減仕事みつけな」

「なに 銀さん仕事探してんの?」

「そうなんだよ このババアが五月蠅くてよ〜〜」

「なんだ〜〜銀さん
それなら人助けかなんかの仕事が向いてるよ」

「はぁ?仕事で人助けすんのとかあんの?
どんな仕事?」

「いや それは知らないケド・・・
自営業とかさ」

「・・・・・・・・・・・」

「俺は頼まれればなんでもやるぜ!
みたいな都合のいい仕事をやれば・・・」

「怪しいじゃないかい 私ゃ反対だよ」

「・・・何でも・・・・・・・」


暫く考え よしと呟いた。

「やってみるわ 俺」

「え!?」

「なんだよ テメーから云ったくせに」

「や でも本気でやるとは;;;」

「いいんだよ。」

「あんた 本気で言ってんのかい;」

「無論本気です」


頼まれればなんでもやる店。
これで人の助けになるのならやってみる価値はある。
罪滅ぼしのつもりではないが
ただ なにもしないよりはこれがマシなような気がした。
今迄空回りした分を取り戻そうと。
足掻いてみるわけではないけど。



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