短編小説
□聖なる夜に
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「キーエーエエエエエ!!!」
彼女、フェーリは今日も朝から日課のようにおまじないを行う。もちろん恋のおまじないだ。
「ふう、今日も冷えるわね…」
おまじないが成功すると、フェーリは持っていたダウンジングのロッドをコートのポケットにしまい込み、手を擦り合わせた。
彼女が手と手の間に吐く息は白い煙となって上に昇っていく。季節は冬、クリスマスイヴ。
「さて、アタシはレムレス先輩のためにケーキでも焼くとするわ…」
それからフェーリは一度家に入り、材料を買うお金を持って家を出た。
「どんなケーキを作ろうかしら」
フェーリは果物や装飾品を目の前にし、買い物カゴを腕にぶら下げながら考え込んだ。
「あ、フェーリだ!」
しばらく考え込んでいると、アミティがフェーリに声をかけた。アミティの後ろにはラフィーナやリデルも居た。
「フェーリも何か作るの?」
「ええ、ケーキを作ろうと思っているわ」
「それじゃあ、あたし達と一緒にケーキ作りしようよ!」
「きっとみんなで作った方が楽しいですよ」
「そうですわね、とても良い案ですわ」
「…たまには良いかもしれないわね。アタシも一緒に作るわ」
「じゃあ、あたしの家にレッツゴー♪」
そして四人はアミティへの家へと向かった。