短編小説


□放課後レッスン
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「…それで何処を教えてほしいんだい?」


「えっと、ここです」


リデルは教科書を開いて見せた。


「ええ!? キミそんなとこもできないのかい!?」


「す…すいません…」


「キミ、まともに授業受けてないだろ?」


「はい…風邪引いちゃって」


「はあ、風邪か…なら何とも言えないな…。
じゃあ、この優秀で偉大なボクがキミの頭に叩き込んでやるから、しっかり聞いているんだぞ?」


「はい!」



* * *


「〜で、こうなるわけだ。わかったかい?」


「は…はい…」


「…本当に解ってるの?」


「…」


「じゃあ、今からボクが練習問題を作るからキミは復習をして待ってて」


「はい」



リデルはさっきノートに書いた事を何度も読み直した。


「…はい、これ」


「あ…」


クルークは自分のノートに練習問題を書いて、そのページを一枚切ってリデルに渡した。



「問題はたったの3門。これが出来たら、もう終わりだよ」


「が、頑張ります」



それからリデルは懸命に取り組んだ。


「えっと…えっと…」


「解らないなら頭で考えるより、紙に書いてみなよ」


「はい…」


「まず、フィールドの黄ぷよ二つを全消しするには…次に落ちてくるでかぷよをどうすれば良いのか」


「…! わかりました! でかぷよを黄色に変えて消せば良いのですね!」


「そう、よくできたね」


そしてクルークはリデルに初めて微笑みかけた。


((クルークさんって…こんな表情(かお)もするんだ…))


思わずリデルはニコニコした。




「じゃあ、もう遅いからボクは帰るよ。またね」


「えっ!」


「…なんだい?」


「あの…一緒に……帰りませんか…?」



クルークは驚いた顔でリデルを見ながら固まった。
そして、みるみる内に赤くなった。



「…か、かか勝手にすれば良いさ!!」


「はい。では勝手にします♪」


「ボ、ボクと一緒に帰れるなんてキミは幸運だね!!」


「えへへ…クルークさん、ありがとうございます」


「…ったく、キミってやつは……」




クルークとリデルは、まるで幼なじみのようにふざけ合いながら帰った。




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