短編小説
□恐怖の病〜初恋〜
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「うーむ…」
私、あんどうりんごは最近悩み事がある。
「どうしたんだい、りんごちゃん★ 魂が抜けちゃったみたいにボーッとしてるよ?」
「いや、なんでもないよ。心配してくれてありがとうまぐろ君」
「それなら良かった★」
「…今日はもう部活はここまでにして、帰りませんか?」
「あれっ、珍しいね? りんごちゃんはいつも何かに向かって調べ物してるのに★」
「今日はなんだか気分がのらないんだ」
「それは残念…。じゃあ行こうか?」
「うん」
「りす先輩★」
「どうしたんだねまぐろ君」
「僕達、先に帰りますね」
「うむ。気をつけて帰るのだよ」
「了解です★ では」
「きゃっ!」
「えっ、ああゴメン★」
まぐろは帰ろうとりんごの手を引いたがりんごはそれに対して驚き、軽く声をあげてしまった。
「…」
((なんでだろう? 最近まぐろ君に対して、極端に反応しちゃうんだよね…))
りんごは一歩引いて、まぐろの横顔を見つめていた。
そして、まぐろはそれに気づいたのかパッと振り返った。
「…りんごちゃん、どうしたの?」
「あっ! …いえ、何でも…」
「そう★ でもりんごちゃん最近変だよ…?」
「やっぱり、そう思いますか? 私も思うんだ…」
「んー…じゃあ相談役のりす先輩に、明日相談してみなよ★」
「…それは名案だね!」
「でしょ★ …もう安藤青果まで着いたよ。じゃあね、りんごちゃん。また明日★」
「うん、また明日ね!」
ガチャッ
「あらりんご、おかえりなさい」
「た、ただいま…」
まぐろと別れた後のりんごはと言うと、何故か激しく動悸がしていた。
「やだ、また心臓のあたりがバクバクしてる…私、もう年なのかなぁ……なわけないよね」
りんごは静かに一人ツッコミをしながら、その場で心臓の鼓動が落ち着くのを待った。