星のきらめく天空の欠片

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むかし、ただ一度だけ。
ぼくの目を綺麗だといってくれた少女がいた。
きらきらとした目で、夜のお空のお星さまみたい、と。
父も母も、親戚、周りの人間は誰一人受け入れなかった自分をはじめて肯定された。
最初で、最後の人。






そして今日、ぼくは母の手によって生を終えた。


遠くでセミの鳴き声が忙しなく聞こえる、蒸し暑い夏の昼下がりだった。
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