星のきらめく天空の欠片

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「千春ちゃんっ!!」

え?

みんながなんだかざわざわとしている。

どうしたんだ?

そう思ってると、だれかが跳び込む音がした。

「さくらちゃん!!」

え?今度はさくら?!

声のした方、知世のとこに行くと、千春が溺れてさくらが助けに跳び込んだらしい。
しばらく水面を見てると千春は浮いてきたのにさくらは上がってこない。
するとさくらの潜ってる辺りから水泡がいくつも上がる。

もしかしてさくらも溺れてるの!?

「さくら!!」
「あやめくん!!」

気がついたらぼくはプールに飛び込んでいた。
ぼくは泳げない上に、ここにはぼくを助けてくれるものはない。
だけどぼくは必死にさくらのところに潜った。
するとさくらはかすかに泡を残して意識を失いかけていた。

さくら・・・!!

さくらの足首には水が渦を巻いている。
ぼくはさくらの力ない手をつかんだ。そしてぼくはそこにいる「彼女」に向かって言った。

おねがい!!さくらをはなして!!
さくらはきっとキミを見つけるから!!

だからおねがい!!

「彼女」はあっさりとさくらを放してくれた。
だけどぼくは限界だった。

意識を失いそうになったぼくに「彼女」が近づいてきた。
目を開けてられなくて瞼がとじる。
両頬を温かいものに包まれた感触がしたと思ったら口になにかが触れた。
ふしぎと苦しくなくなった。
だけど今度はなんだかねむくなってぼくは意識を手放した。


遠くの方でばちゃばちゃと音がして引っ張られる感覚がした。
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