アレキサンドライトの指輪
□妹
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兄 「6月の花嫁さんは幸せになれるんだって」
妹 「ほんとぉ〜?」
妹 「…わたし、おにいちゃんのお嫁さんになる!」
何も知らなかった幼い私は
大好きな兄のお嫁さんになるのが夢だった。
いつもいつも
おにいちゃんに付いて歩いた。
そんな兄と私を微笑ましく見ていた両親
何も知らないままの方が
こんなに苦しい思いはしなかった。
幸せな時間は終わりを告げる
<兄妹は結婚できない>
ずっと一緒にいられると思っていたのに
離れていく兄
私には
追いかけることは
出来ない